相続人による自動車の所有権解除
札幌の相続ふれあいサロンの司法書士行政書士・成田浩史です。
この度ある相続に絡んで故人の軽自動車を廃車するという事になったのですが、車検証を見るとこの自動車の「所有者」は自動車ディーラーで故人は「使用者」のままでした。この場合は廃棄する前に所有権解除手続きをする必要があります。
例えば新車を自動車ディーラーから購入した場合、そのローンの返済が完了するまではその自動車ディーラー が「所有者」 で購入者は「使用者」となります。つまり購入者はこの時点ではまだ自動車の所有者にはなれていないのです。その後ローンが完了するとその自動車ディーラーから自動車の所有名義を購入者に移すことができますという「所有権解除手続き」のための通知が送付されてきます。 この手続きが済むとこの自動車の 所有名義 は購入者に変更され晴れて正式な所有者となります。
ところが実際にはこの所有権解除の手続きをしていないケースは多く、本件のようにある時突然この事に気付く方が多いのが実情です。今回はこの手続きをその相続人が行わざるをえず、またこの自動車を廃棄するためには一旦この相続人の方に自動車の所有名義を移すという形を採らざるをえないということで(「使用者」のままでは廃棄手続きを行えないためです)、その相続関係を示すための戸籍等もその自動車ディーラーに提出する必要が出てきます。通常軽自動車の処分はそれほど手間はかからないのですが・・・
このように所有権解除手続きを済ませていないことで、後日二重三重に手続きの手間が増えることがあります。ですから自動車のローン返済が完了したらすぐにこの 所有権解除手続きを済ませてしまうことをお勧めします。